学園祭アプリを作ったら、ミス立教とハワイ旅行!?
こんにちは。
今回は、立教大学の学園祭実行委員会(以下SPF)からアプリ開発を依頼されたお話をしようと思います。
「よくわからないけど、アプリ制作依頼をしたい」という学生の方々にぜひ読んでいただきたいです!!
臨場感が湧くように、ストーリー仕立てでお伝えします。
また、すでにSPF側の許可をいただいて公開しております。
SPFと僕の仲
実はSPFと僕の中は1年前に遡ります。
「ホームページを改修しませんか?」と僕がSPF側にメールを送ったのです。当時のSPFホームページはデザインも情報設計も、控えめに言って「ちゃんとやっていないな」とすぐに分かるような状態でした。
残念ながらこの昨年の提案は断られてしまいました。
なんとこの1年前の出来事を覚えてくださったのです。
届いたDMがこちら。
とっても嬉しいですね!😆
「クレームを提案に変えるのがリーダー」という僕が経営学部で学んだことを実行した結果が出た気がしました。
僕としてもRepという立教生向けのwebサービスを運営しているので、シナジー効果がありそうだな!と企んだりしました😏
事前に質問よろしいですか?
ミーティングすることがすぐに決まりました。
流石にミーティング当日に仕様等を話されても、スムーズな返答ができないため、今決まっていることの資料を送ってもらいました。
こちらがその資料の一部です。
広告掲載・・?
なるほど、SPFにもなると学園祭にかなりの人数がくるから、バナー広告で儲けるというわけか〜!
例え利用期間が3日間だけであっても、たくさん訪問者がいるなら理論上は儲けられるよな〜!
これでアプリ開発費分も賄うのかな〜( ̄▽ ̄)
と考えました。
もう少し質問いいですか?
次に送った質問は以下の5つ。
ミーティングを円滑に進めるために事前に聞いておいた方がいい内容です。
- SPFの入場者数は例年どのくらいか
- 「アプリ」というのはwebサイトなのか、AppStoreからダウンロードするタイプのものか
- 後者の場合、iOS版とAndroid版の両方を作るのか
- このアプリ開発に充てられる予算はどのくらいか
- 来年以降も使うのか、今年だけなのか
返ってきたお返事がこちら!
*2と4の「アップルストア」はAppStoreのことでしょう。
まぁこんな注釈どうでもいいくらい気になる回答が、
「4. アップルストアの登録料など含め、3〜5万円の予算を充てることができます。」
足りない・・。足りないだろ・・・。
そして、3.5万人という入場者数。
少なくないけど、バナー広告で稼げるアレじゃない・・・。
だがしかし、ここで発狂するようなエンジニアではない!
相手は立教最大のお祭り、SPFを運営する巨大な団体。
場合によっては貸しを作るのもありです。
とはいえもう少しお金があったほうが・・・
発狂はしませんが、丁寧に優しく予算の増額を出来ないか提案しました。
主観で「〇〇円にしろ〜!」と言っても納得いただけないと考え、「アプリ開発費見積もりシミュレーター」の結果を送りました。
600万円!!
ここでさらっと予算の120倍をチラつかせて見ました。
もしかしたら、もしかしたらSPFなら払えるかもしれないと思って。
いざ、ミーティング
ミーティングにはSPFのweb担当者と、かなり遅れて委員長さんにも参加していただきました。
- アプリ開発に至った経緯
- 僕から低コスト化の提案
- 予算について
- 雑談
と2時間くらいお話しました。単に楽しくて盛り上がりました☺️
どうしてアプリを作ろうと思ったんですか?
A: パンフレットが有料なので、それを買わないと各プログラムを知ることができない。アプリをインストールすれば無料でSPFを満喫できるようにしたい。
ん。。。
この段階で感じたのは、「彼らは彼らの事情しか考えていないのでは。。。」ということ。
だって、数百万かけてアプリを作るのなら、そのお金で既存パンフレットよりも低クオリティで良いから紙ペラを配った方がシンプルにユーザーの抱えてる問題を解決できますから。
驚くべきことに、web担当者も委員長も(話した限りでは)、この簡単な解決法に気付いていないようでした。
これは僕の推測ですが、「どうしてアプリを作ろうと思ったんですか?」の答えは、「こういう時代だから」とか「他大学が作っているから(事実W大学の話をされました)」とか「今までにない試みを!」とかだったのだと思います。
これは全く悪いことではありません。こういう挑戦をする方が重要ですし、学生の団体がそんな企業みたいに考えてたらつまらないでしょう!!
低コスト化の提案
と話が進み、それなら100万円で受けても良いと言いました。
ちなみに今回の僕は金の亡者です。
SPFに対してモチベーションが皆無な以上、自分を動機づけるのにやはりお金はシンプルな解決策でした。
そして何より、開発を受けた場合、今のバイトをやめなくてはならない納期だったので、数ヶ月間生活する報酬が前金的に必要でした。
予算改善案
お金は諦めて、SPFが僕に提供できそうな価値を考えてみました。
最低限報酬が100万円として、今の報酬が最大5万円なので残り95万円分を他で賄えないかという算段です。
- 僕とミス候補とのハワイ旅行(管轄が広告研究会なので無理。というか無理。)
- SPFでRepを宣伝する(SPFの訪問者が立教生ではないため価値として10万くらいしかない)
- 100万円分僕のために働いてもらう(色々とアカン)
- 分割払い(1年目が5万だと僕が生活できなくなるのでダメ)
まぁどの改善案(ほとんど冗談)もダメでした。
Repを手伝うとしても100万円あれば、相当なマーケティングできますから100万円他の好きなことで稼いで同じことをします。
雑談
この雑談はこの記事的にも関係ないので、読み飛ばしてくれて構いませんが、驚いたので書きます。
web担当者の方は優しく僕の雑談を聞いてくれました!
その中でも一番僕が盛り上がったのが「高校生にヒアリングしたことがない」という話。
SPFのメイン訪問者層が高校生らしいのですが、今SPFに抱いている印象だとか、どんな学園祭なら行きたいかとか、そういうのを今まで一度も事前にヒアリングという形で聞いたことがないらしいです。
自分のやりたいことをやって評価されるのはプロのアーティストだけだと思ったのですが、学園祭はその域に達しているのかもしれません。
とか考えつつ、冒頭の訪問者のことを考えていない件もあったので、高校生に話を聞いてみたら?と説明したら、とても納得していただきました。
よかったよかった😆
そして決裂
決裂なんていう大げさな言葉を使いましたが、2時間のお話を通して、SPFのweb担当者様とは仲良くなっていました笑
一度持ち帰っていただいて、後日改めてアプリ開発は依頼しないというご連絡をいただきました。
僕はミーティングをする前から、絶対SPFは作らない方が良いと思っていたので、その通りになってよかったとホッとしました😇
まとめ
今回はSPFという大きな団体からの依頼ということで胸を踊らせました。
しかし現実はそんなに甘いものではなく(お互いに)、アプリは作らないということになりました。
ただしこのSPFのように、お金はないけどアプリは作りたい!という学生は多いと思いますので、その方法を僕なりに考えてみました。
- アプリ開発にはお金がかかることを知る(先ほど紹介した簡単見積もりツールとか便利ですね)
- 開発する人を組織に巻き込む(お金でなくても動機付けはできるかもです。『人を動かす』を読みましょう)
- 自分たちで作る(僕は3年間勉強しました。SPFの方もそれくらい勉強すればできます)
- いっそみんなで貯金する(SPFは300人。ひとり3,333円で100万円です。)
3は時間はかかりますが、お金がないのであれば、こうするしかないでしょう。
そして、それは作りたい!と思った時では遅いです。
今のうちに準備をしましょう。
運良く協力してくれる人が見つかって、依頼するとしても1年前には伝えましょう。
開発はお金も時間もかかるのです。
この記事を読んで、そのことを知っていただけたらなと思います。
もしこれを読んでいる方の中に、アプリを作りたいと考えている方がいたら、この話が参考になると嬉しいです!
いいですか、今です!
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